今年も又 鬱陶(うっとう)しい梅雨のシーズンがやってきました。

それにしても「鬱陶しい」とか 「憂鬱(ゆううつ)」とか「躁鬱 (そううつ)」で使う「鬱(うつ)」という漢字・・・

どんだけ大人になっても 未だに手書きでは書く事が出来ません。(何とか読む事は可能ですが・・・)

こんばんは~さすらいの中年キッチンスペシャリスト"KS-星の"です。

本日は、以前 見学に訪問した"Nobilia(ノビリア)"さんの ショールームからの報告です。

ここが ショールーム~岐阜県六条南3丁目の旧R21号線沿いに有ります。

御本家はドイツに有る"nobilia"というキッチンメーカーですが、日本のみ"Nobiria"(Nが大文字)

というブランドで (株)ヤマゼンさんが 世界で唯一独自に製造し販売する認可頂いているそうです。

扉材などの資材は ドイツの御本家から 直輸入し国内の工場で 加工、組立をしているそうなので

純粋な"輸入キッチン”という訳では 無いのですね~この事実は、ここへ来て 初めて知りました。



まず2Fに上がると、 こんなキッチンと御対面 天然木のウォールナット扉の135°曲げ2回ライン

吊戸棚、アイランド調理台の扉には ガラス細工の施し(ステンドグラス)が有りました。
  


アイランド部分には、蒸気排出ユニット付家電収納とゴミ箱ワゴンがビルトインされてます。

 

純白の塗装扉にアール形状のキャビネットとカウンタートップ  Barの様な雰囲気を醸し出してます。

キッチンのキャビネットの木工と人造大理石トップ加工は 自社工場の職人が手作業で行います。 
 

キッチンとサニタリー部分を ガラスパーティーションで仕切る新しい空間提案の展示も有りました。
 

すこし "和”のテイストを感じるキッチンも有りました。
 


L型キッチン+ ダイニングカウンターの付いたアイランドにはパーティーシンクが有ります。

ワークトップは ノビリアさんオリジナルの表層メラミン(厚さ2.5mm)が使用されていました。

このメラミンは 耐熱性 250℃、衝撃性、耐水性、耐摩耗性に優れ お掃除も簡単との事です。
 

この他にも 数基のシステムキッチンの展示が有り 眺めているだけで 充分に楽しめます。

また、扉蝶番、引出レールのディテイル、収納パーツやトレーなどのパーツなども今後の

キッチン造りの提案に参考になるものが 沢山有りました。


ここで システムキッチンのモジュール(Module )に付いても 考えさせる事が有りました。

御存じの様に" システムキッチン”というのは和製英語で 海外では 主に"ビルトインが可能な

キッチン"という意味合いの言葉で呼ばれている事が多いのです。従って キッチン構成部材は

システムキッチン発祥の地~ ドイツの"DIN規格”が基準となり制定されている" ISO規格”

に準じて製造をしているメーカーが殆ど、パーツやビルトイン機器は供用出来る物が多いのです。

しかしながら 現在日本の国産キッチンメーカーの構成部材のモジュールは 尺貫法を原点とした

1尺に近い300mm、あるいはその半分の150mmが 基準とされ構成部材は製造して来ました。

この単位は 家具のモジュールの世界的標準(global standard)は 国際標準化機構(ISO)

の基本モジュール1M=100mmとは 整合しておらず 日本独自のものとなっています。

もちろん、"Nobilia"さんのキッチンは 世界標準に合わせての ISO100mmが基準モジュール、

さらに加えて、ドイツで発案された伝統の"32(サーティーツー)システム"を採用しています。

32という数字は、2進法(2×2×2×2×2)で 辿り着く数で 分割が容易に出来る利点が有ります。

そして、ヒンジ、ハンドル、材料のボーリングピッチ(穴の間隔)、材料の厚み(板材16mm等)迄の

すべての規格を"32システム”で 統一する事で20年、30年お使いのユーザー様にもパーツ等の

取替によるリニューアルのみで 既存キッチンを使い続けて 頂く事が出来るシステムなのです。

国で規格を統一する事は 他社製部品を取付たり、機能品をビルトインする事が 容易なりますね。

それに引替え国産メーカーは 独自路線のクローズド商品の開発に傾倒しているような気がします。


「祖母から母、そして娘へと永く愛され続けていく・・」 国をあげて環境問題に

取り組んでいるドイツだからこそ生まれたこの風習に、ノビリアは30年以上も

前から賛同しています。~ノビリアキッチン カタログより


この精神が 本当の"エコな精神”だと思いますが 未だに誰かの事情により"スクラップ&ビルド"

を繰り返さねばならない 我が国の建築業界には 少し耳が痛い話ですね。


写真真ん中の扉は 実際30年以上使用された扉だそうです。(同じ物の製作は現在困難らしいです)

いつまでも飽きの来ない トラディッショナル(伝統的)なデザインでカッコイイ~!と思いませんか?

 

その他にも 国産メーカーには品揃えの無い 個性的な扉デザインが豊富にあります。
 


RECO(リコ)Styleキッチン(Reduce、Repair、Recycle、Reuse)の4Rエコロジーキッチン

Alder(アルダー)材に オスモ塗装を施した エコ的なキッチンの展示も有りました。
 

キッチン販売業に携わる方は このショールームは 一度訪れる価値が有りますよ。

                                                      Hoshino