本日はキッチン改修事例を御紹介します。こんばんは、“KS-星の”です。
まずは 今回キッチン改修を御要望の 菰野町T様邸に現場調査にお伺いした時の模様です。
案内していただいたのは、少し広めの10畳ダイニング・キッチンでした。
既設のキッチンは3450mm×2550mm L型ステンレスキャビネットのセクショナルキッチン
25年程以前の物らしいです。 その当時この収まりなら かなり上級のキッチンだったでしょう。
加熱機器(ガスコンロ)と続き、カップボード迄がキッチン 洗面洗濯脱衣場の入口を
挟んだところに 冷蔵庫が配置されていました。冷蔵庫で隠れてますが背面には 窓があります。
キッチンのシンクと対面の壁には TVと並んで湯沸しポットと炊飯器が置いてありました。
シンクとの直線距離は ここまで 約4M有ります。但し、ダイニングテーブルが中央に配置
されていますので、シンクから 冷蔵庫までの移動距離は6M、炊飯器迄は 8M近くになるでしょう。
業界では 「冷蔵庫」・「シンク」・「加熱調理器」の前面中心を3頂点とする調理作業の三角形を
【ワークトライアングル】と言い 調理作業の動線効率を分析する キーワードとなっています。
この三角形の各辺の長さが長すぎると 無駄な動きが多くなり 効率が悪く 疲労が増大します。
下図からも ワーキングトライアングル三辺の総和は3600~6000mm迄が適当とされています。
最近では この数値内に 調理に必要な家電(炊飯器、オーブン、レンジ等)を組込、さらには配膳
のスペースも取り込むレイアウトを 御提案し プランニングする様に心がけています。
既設のT様邸キッチンを ここに数値を当てはめてみると 余裕で10Mを超えてしまっています。
この様なレイアウトを 当社では 【アスレチック系キッチン~ダイエット仕様】と呼んでいます。
体力の有る若いうちは それも有りでしょうが、殆どの方は 調理時の負荷は軽減したいものでしょう。
今回 キッチンを改修するに当ってはこの調理作業動線の無駄を解決する事は基より
T奥様の御意見と“新しいキッチンの夢”を忠実に抽出し、一度のメーカーショールーム
での御打合せで プランニングさせて頂いた キッチンのレイアウトで ほぼ決まりました。
既設キッチンも“ステンレスキャビネット”でしたので 今度もクリナップ製“S.S.”で御提案です。
カウンタートップは 3033mmのアクリストン・フラワーホワイトの奥様こだわり特注天板です。
カウンタートップには “ほんのりとかわいらしい”花柄が一面に散らべられています。
これはクリナップが新しい人工大理石の成形技術の【FC製法】で造られていまして、
工芸品に良く見られる装飾技術の「象嵌(ぞうがん)」のようにデザインされています。
見づらくてスイマセン。ホントにかわいい 花柄が埋め込まれているのです。
(Free combination molding----特許出願中)
そして、この天板をキャビネットに 載せて ほぼ出来上がり~冷蔵庫も計画通り所定の位置に!
【アスレッチック系~ダイエット仕様】のキッチンとお別れの時はもう直ぐそこ迄来ています。
下の写真が 完成形です。~デッドスペースに為りがちな吊戸棚にも働きを持たせる為に
手動の昇降調味料ラックと電動昇降(オートムーブシステム 小物収納タイプ)を併設しました。
先程のワークトライアングルに この数値を当てはめますと、シンク~冷蔵庫迄が1,500mm
シンク~加熱機器迄が1,650mm。加熱機器~冷蔵庫迄が少し遠くけれど 2,700mmで
ワークトライアングルの三辺総和は 5,850mm 何とか 目標の6,000mm以内となりました。
そして、その調理動線内に調理家電(炊飯器とポットは蒸気排出ユニット内に・・)の配置できる
スペースと、米びつもキャビネット内に設置、もちろん食器洗い乾燥機もビルトインしています。
さらに、家電収納の下部には 分別ゴミ収納が出来る ダストボックスワゴンも配置しました。
これくらいの御提案が出来れば キッチン販売員としては まずまず合格点がいただけるでしょう。
後は御予算との戦いは有りましたが、お互いの妥協点を見出し 何とかT奥様の夢は実現しました。
もちろん、「Wall to Wall!」 改築現場ですが 壁クリアランスは 3mm程度迄追い込みました。
使用キッチンは クリナップ製「S.S.」(Stainless System Kitchen)~こだわりの逸品です。
レンジフードはその名も【とっても クリン・フード】・・・フィルターは「リーフプレート」で
穴が開いていないので 目詰まりなく お手入れ簡単ですが 油捕集性能は抜群です!
この程度のレイアウトの御提案が出来、メーカーさんの商品の特徴をキッチリお伝え
する事が出来なければ、キッチンを販売する資格など有りませんよ!
Hoshino