本日の話題は 久々にお仕事関連からの報告をさせて頂きます~こんばんはー“KS-星の”です。

先日納入させて頂いたシステムキッチンのレンジフードは、TOTOさんの“ゼロフィルターフード
 
ゼロフィルター”と言うぐらいですから、このレンジフードには、グリスフィルターが有りません。

整流板を開くと すぐにシロッコファンから分離された油分回収用の“オイルパック”が現れます。

フード本体内側には 継ぎ目も無く、凹凸も少ないので拭き掃除によるお手入れは簡単そうです。












整流板で捕集出来なかった油分は、水平方向に回転するファンの遠心力で排気中に分離され

この“オイルパック”に回収される仕組みとなっていて、この部分も手前に引くだけで外れます。












ファンも特別な工具を使わず、フックボタンを押し込むだけのワンタッチで簡単に外す事が可能です。












元に戻す作業も一度経験すれば次からは1分もかからないでしょう~なるほどお手入れスイスイ!

本体外観は35mmの薄型デザインで、モダンテイストなキッチンには合わせやすスタイリングです。
 
この商品の様に最近の国内メーカーさんから出てくるレンジフード新商品の多くは、相変らず本来の

レンジフードの働き(換気効率)より 静音性や清掃性(お手入れ)が重要視されている感が有ります。

この傾向については過去記事『ホントにレンジフードに“フィルター"は不要なのでしょうか?』でも

取り上げ、それ以降のメーカー商品の動向や、商品開発に携わる技術者の方や、換気工事を専門

とする業者の方の御意見も拝聴させて頂きましたが、確固たる結論を未だに得る事が出来ません。

当然、フィルターが無くても油脂分の大半を捕集する事が出来、お手入れが簡単な商品であれば

それを否定する事は有りませんし、ユーザー様にも自信を持ってお勧め出来る商品となるでしょう。

しかしながら、現段階では「フィルター不要派」と「フィルター必須派」の相反する2極化した考え方

のメーカーさんからの偏った情報しか入手できてない事が、未だ結論に至らない理由なのです。
 



























 こちらが、従来から有る"グリスフィルター"が装着されたレンジフードです。この部分のお手入れは

確かに面倒ですし手間もかかります。ゼロフィルターフードを始めノンフィルターとかフィルターレス

と謳われているレンジフードには、このフィルター部分が無いのですから当然お手入れは簡単です。
 
その事は 掃除を御担当されている方なら誰もが 容易く理解できるでしょう。そして、換気の点から

見ても存在自体が抵抗となる上に 目詰まりを起こすと吸引力は著しく低下してしまう事になります。

しかし、短期間でフィルターが目詰まりする程の油脂分を“独自のオイルキャッチ機構”という方法

では確実に捕集できているのでしょうか?この疑問をクリアする裏付けのデータが得られてません。












そして、日本以外のレンジフードメーカーの商品を見てみると フィルターが付いていないレンジフード

は見当たりません。むしろ、ファンの能力と同様にフィルターの性能を競っているのが現状の様です。

近年迄我々が使用してきたフィルター付のレンジフードさえ、調理中発生する油煙に含まれる油脂分

を完全に取り除く事は極めて難しく、吐出口からダクト側への流出を防ぐのは困難な事だと解釈して

、流れ込んだ油脂分がダクト内に付着し難い様に配慮する事が現場サイドでは常識となっています。


こちらは、フィルター重要視メーカーのヤマゼングローバルさんの“Cook Hoodle”・・RZ-90型

この製品には、オリジナルの特殊メッシュ構造の【5層フィルター】が装着されています。

本体のデザイン形状に合わせたR形状のフィルターは 5層に分けられ、2層目と4層目を波型

にする事により空間を作り、その空間を油脂分が流れ易い構造になっています。そして、フィルター

で捕集し切れなかった油脂分は、"ダブルシロッコファン"で捕集し“オイルトレー"に回収されます。

こちらで採用しているフィルターは、構造に工夫がなされ 油脂分による目詰まりを起こしにくくなって

います。月に一度の食洗機による洗浄か、ぬるま湯に中性洗剤を加え浸け置き洗いでOKとの事。












こちらは、ヤマハリビングテック(株)製の"C(サイクロンフード)Ⅱ"(現在はモデルチェンジしてⅢ)

こちらのフードは、ヤマハさん独自の集煙システムの"水平渦巻き方式"整流板の曲面形状と

サイドからの吸込みで発生する水平渦巻きで油煙を効率よく捕集し両サイドのフィルターより排出

この独自の集煙方式の採用により、フィルターの小型化を実現し簡単に取り外しも可能です。

しかもフィルターは親水性塗装を施しているので、軽い汚れはぬるま湯に浸け置くだけでOKとの事

新商品のC(サイクロン)フードⅢでは、サイドからの吸込みから正面(フロントキャッチ)の吸込みに

変更となりました。以前はサイド吸込みで生じる気流を強調していた様に思いましたが・・・・何故?












こちらは、クリナップさんの"とってもクリンフード" 独自の立体構造フィルターを採用してます。

整流板から入り込んだ油煙が「リーフプレート」と「プレートパネル」によって形成された空間で衝突

し合い発生した乱流により油分やホコリを分離し「リーフプレート」で捕集する仕組みとなってます。

「リーフプレート」には従来のフィルターの様な細かい穴が開いていない"プレート形状”ですので

目詰まりする事は無く、さらに表面にはeコート(親水性のセラミック系特殊コーティング)が施され

ているので、しつこい油汚れや水で流してスポンジで洗うだけで簡単に落とす事が出来るそうです。
 









 

 
最後は、Nobilia岐阜ショールームに展示されている特注仕様(オーダーメイド)のレンジフード

ワイド1900mmの迫力満点のレンジフードには、7枚の特殊フィルターが装備されています。

こちらも、"ヤマゼングローバル”さんの独自開発仕様の特殊メッシュ構造の5層フィルターで

手に取ってよく見てみると 役割の異なるフィルターの網目の形状の違いが分ります。

しかし、流石に7枚も有ると お手入れは それなりに大変でしょうね! 

 
アイランドキッチンに、この天吊タイプのレンジフードは かなりの存在感となっていました。
 
今回は 「最近のレンジフード事情」として、各社のレンジフード製品を御紹介させて頂きました。

そして、当研究所は現段階の調査においては どの商品がレンジフードとしての性能が一番優れ、

ユーザー様にお勧めできるものなのか 残念ながら結論付ける事が出来ていません。現在は、

我々の持っている情報提示の中から ユーザー様に御判断を委ねてしまっているのが現状です。

                                                                                      Hoshino