梅雨も明け、これからが夏本番ですね~こんばんはー"KS-星の"です。

娘が京都の学校在学中に"京都通"を目指した我が家ですが、早くも4年目の夏を迎えました。

予定通りなら これが最後の夏。そして、やはり京都の夏と言えば"祇園祭"は はずせませんね。

と言う事で、今年の海の日は"祇園祭 宵山(ヨイヤマ)"に行って来ました。~それにしても 凄い人出
 
"祇園祭"は 平安時代に疫病退散の祈願から 始まり 1100年以上も続く 伝統の有るお祭りです。

TVなどでよく紹介されるのは"山鉾巡行"ですが、"宵山"とは山鉾巡行前日の夜の事を言います。
 

現在山鉾は32基有るそうですが、今回は時間と体力の関係上12基の山鉾を近くで見て来ました。

動く世界の博物館」と言われるだけあって、近くで見ると 飾りの染織品は 中国、インド、ペルシャ

などのタペストリーや京都の西陣織などが使用され 和洋折衷の豪華な装飾となっていました。

  
    南観音山(胴掛はペルシャ花文の緞通)                     北観音山(胴掛はトルコ花文の緞通)













室町通六角下る鯉山町の山鉾は“鯉山”この日は保存会となっている町家が公開されていました。
 

列に並び奥の大広間迄行くと、巡行時には山鉾を飾る大きな鯉やタペストリーが祀られていました。

中国の故事「登龍門」で 中国黄河の難所である龍門の滝を登ると 鯉が龍となるという伝説に由来

し作られた鯉山は、名工「左甚五郎」作と伝えられる この木彫の大きな鯉を御神体とし、難関突破・

立身出世の神の山として 古くから京の町衆に愛されているそうです。
 

突き当りの地蔵堂では、少年が「鯉山のお守りはこれより出ます♪・・・ローソク一本どうですか~♪」

という“鯉山ローソク売りの歌”宵山バージョンを歌いながら 灯明のお供えを呼びかけていました。













鯉山を飾るタペストリーは、16世紀に現在のベルギーブリュッセルで製作されたそうです。

ここに描かれているのは、紀元前1200年頃のトロイ戦争を題材としたギリシャ詩人ホメロス

叙事詩「イーリアス」の中の場面「トロイア戦争物語」で 世界的にも文化財として価値の高い物です。

そして、元は一枚のタペストリーを 大工のノミで大小9枚に切り分け 前懸・見送・胴懸・水引として

山鉾に飾られます。この様に近世ヨーロッパ等で製作された織物で飾られる鉾は他にも有りました。
 

新町通綾小路下ル船鉾町の山鉾は“船鉾”、日本書紀の「神功(じんぐう)皇后」が懐妊中にも

拘らず、新羅出兵を指揮され勝利された説話に由来する 鉾全体が船の形をしている珍しい鉾です。

舳先(へさき)には中国で水難除けの想像上の鳥 金色の「鷁(げき)」が前を向き羽を広げています。

 

御神体には多くの岩田帯を巻き付け、巡行後には安産祈願の御腹帯として授与するそうです。













船尾の大舵は 黒漆塗り青貝螺鈿(らでん)細工で飛龍と荒波が描かれています。右舷は上向き
 

左舷の龍は下向きに描かれています。この鉾の別名は「出陣の鉾」と言われています。
 

                 綾傘鉾                                                       四条傘鉾              













そして、最後は毎年必ず山鉾巡行の先頭を行く“長刀鉾(なぎなたぼこ)”生稚児が乗る唯一の鉾。

長刀鉾は疫病邪悪を払うといわれている大きな長刀をつけた鉾で、無病息災・家内安全の御利益

があります。また古くから女人禁制の鉾としても有名で、鉾に女性が上ることが禁じられています。
    
今年の祇園祭の宵山には40万人が繰り出したそうですね~暑いはずです。  Hoshino