早いものでもう3月も最終日、今年も1/4が過ぎ去ろうとしています。こんばんはー“KS星”のです。

本日は、“☆のキッチン研究所”から浴室改修工事の話題をお届けしましょう。

写真の様な 湿式タイル貼りの左官工事で造られた浴室の事を“在来工法の浴室”と言います。

この地域では、およそ25年以上前に建てられた住宅は 殆どがこの工法によるものです。

しかしながら、この工法による浴室には防水上の寿命が有り、放置しておくと躯体の構造部に致命的

な損傷を与えてしまう怖れが有ります。その為“治療”や“手術”を施し住宅を延命さねばなりません。
 

それともう一つ重要な事は、底冷えのする“在来工法の浴室”は人の寿命さえも縮める怖れの有る

とても危険な場所という認識も忘れてはなりません。今回御年配の方のお住まいされる“M様”邸

では、「暖かくて安全な浴室」にする為の改修工事を行いました。 まずは既設浴室の解体工事から













既設浴室を解体後は、給排水、電気の設備変更、窓サッシ取替、土間コン打設工事を行った後

今度は“乾式工法”のシステムバスルームの組立設置工事を現地で行います。













そして、これがシステムバスルームの完成写真です。如何にも暖かそうな浴室となったでしょう。

在来浴室⇒システムバスへの改修工事は、大半のケース着工後1週間未満で使用可能となります。

 
・・・っとここまでは、一般的な浴室改修工事の御報告ですが、ここから少し入浴行為がいかに危険で

人体に与える影響が大きいか 改めて考えてみましょう。本来は癒しの場で無ければならないのです

が、不幸にも浴室で亡くなられる方は年間交通事故死の2倍を超えています。取締まり強化の為に

交通事故死は年々減少していますが、浴室内事故で亡くなられる方は減少傾向には有りません。

そして、家庭内事故死の約半数がこの浴室内での溺死で そのうち高齢者が75%を占めています。

右のグラフは、浴室事故溺死死亡率を表していますが この中でも日本は群を抜いてダントツです。
  

 






この原因は はっきりしています。一つは浴槽に肩までどっぷり浸かるという日本人特有の入浴方法、

二つ目は入浴行為時に受けるヒートショックが原因で 血圧の急上昇急下降による血管や心臓への

負担増大によるものとされています。下のグラフ赤色線が冬場の乱高下する血圧変動の模様です。

     

左のグラフは、平均気温と入浴死を表したグラフです。これを見れば大半が気温の低い季節に多くの

方が無くなっている事が分ります。右のグラフは浴室内暖房設備の有無を国別に示したグラフです。

データーが少し古いので、現在はもう少し日本の比率は上がっていると思いますが、それにしても

欧州の先進国では、ほぼ100%に近い割合で浴室内の暖房設備がなされているのが現実です。

この事からも 四季の有る我が国では 浴室内暖房設備の必然性を御理解いただけると思います。













それともう一つ注意して頂きたいのが、入浴行為中 浴槽に浸かる時の湯温の管理です。

このグラフは浴室事故死発見時の浴槽内の湯温を表したグラフです。42~43℃が突出してます。
 

下のグラフは、湯温の違い(38℃と42℃の時)による血圧変化を表しています。38℃の時は安定

していて、42℃の時に乱高下している様が解ります。少し熱めの42℃の時は入浴直後に血圧が

急上昇しています。これを「驚愕(きょうがく)反応」と言います。この血圧の急上昇が引き金になり

、脳卒中や心筋梗塞が起こる事が有ります。そして「驚愕反応」で一旦血圧が上がると、人間の体

は反動の習性として血圧を下げようと働きます。急激な血圧低下すると、脳に血液が行きにくくなり

、結果として意識障害を引き起こし、浴槽内で意識を失ってしまった時に 浴槽内のお湯を肺にいれ

てしまい、そのショックで心肺機能が停止して 溺死状態で発見されるケースが多く有ります。

 

この様に寒い浴室での 入浴行為や高温浴は、非常に危険だと言う事は分って頂けたと思います。

しかし、暖かい浴室で入浴方法に 少し工夫すれば“健康増進”、“心身ストレス解消”、“美容効果”

につなげる事が出来ます。この様な入浴の効用については、又の機会に御説明させて頂きます。

浴室はまさしく“諸刃の剣”なのですよ~“M様”本日からは 暖かな浴室で入浴を楽しんで下さいネ。 

 

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