本日は蒸し暑い中 当社では今期の決算棚卸しを実施致しました~こんばんはー"KS-星の"です。

先日は、三重県指定伝統工芸である"日永うちわ"で有名な「稲藤」さんへお伺いして来ました。
 
"星の"は もう50年以上も三重県人をやっていまして 地元四日市での生活もそれなりに長くなって

ますが、お恥ずかしい事に 地元に"日永うちわ"なる伝統工芸品がある事を存じ上げませんでした。

昨年夏、 湯の山温泉「寿亭」に日帰り入浴&ランチに出かけた時に見た「水雲閣と"日永うちわ"展」で

初めて拝見しその存在を知った次第です。その時に 江戸時代から伝承されている工芸品である事や

既に現在取扱っておられるのは、「(株)稲藤(イナトウ)」さんのみしかないと言う事も知りました。

こうして気になる存在になり始めた"日永うちわ"でしたが、その後にさらなる驚愕の事実を知る事に・・

それは、現在の稲藤四代目さんに嫁がれている女将さんは、"星の"中~高校で同級生の女子ー!!

そんな事で今回は、稲藤四代目女将さんこと"和美常務”様にお店を案内して頂く事としました。

日永に有るイナトウさん本店2階に上がると "日永うちわ”の展示・取扱コーナーが有りました。
 

江戸時代、東海道「日永の宿」ではお伊勢参りのおみやげ物の一つとして好評を得ていたそうです。

お伊勢参りへ行く途中に気に入った柄を注文し、帰り道に再び立ち寄り出来上がった"日永うちわ"

を お土産として持ち帰ったと言われています。この事実を詠った 江戸時代の書物(勢陽五鈴遺響)

には、「民家に団扇を多く造りて旅客に賑ふ店あり 名産とし日永団扇と称す。」と有ります。
 
"日永うちわ"の特徴は、一本の細く丸い竹をそのまま使っているので柄(え)が丸い、丸柄(丸竹)

うちわとなっています。丸い柄は良く手に馴染み、持つとひんやりとして 心地良い感触がします。

また、釣竿と同じ女竹(めだけ)を使用し、それを細かく割き(55本前後)交互に袋状に編んでいる

ので、竹が弓の様にしなります。その為、扇ぐ風が柔らかくなびくという優雅な持ち味が出ます。

そして、稲藤さんは 江戸時代より続く三百年の伝統と技を守り続け 現代に受け継いでいるのです。


その伝統と技を結集した"日永うちわ"は 平成6年 三重県伝統工芸品の指定を受けられています。


こちらの"うちわ"は、これも三重県鈴鹿市の伝統工芸の一つ"伊勢型紙”を地紙とした作品です。

稲藤さんは今年の経済産業省主催の工芸ルネッサンス・プロジェクト「Future Tradition WAO

に出展され、2月はニューヨークにて、3月はパリのルーブル美術館の有るルーブル宮内の展示会

にも常務さん自ら参加され、海外に向け"日永うちわ"を日本の伝統工芸としてPRなさったそうです。
 

近年は伝統工芸の技に加え、新しい試みの"うちわ”も開発され、こちらも好評を得ているようです。

こちらの"うちわ"には イネ科の大型多年草で菰野町の名前の由来でも知られる「真菰(まこも)」を

原料にした和紙を扇部の地紙として使用し作られているそうです。これも地元名産のコラボですね。
 

こちらの"香るうちわ"は、柄に近い窓部には"香り玉"を仕込み、お好みの香りの専用アロマオイル

を滲み込ませて扇ぐたびに香りも楽しめるという 新しい形のリラクゼーション商品です。香りを感じ

無くなったら、再びオイルを滲みこませれば良いので1シーズンのみでなく長期に渡って楽しめます。

他にも同じ仕組みで、虫よけ効果の有る ヒノキチオールの成分を多く含む「青森ヒバ」のオイルや

ゼラニウムのオイルを香り玉に滲み込ませる"虫よけうちわ"などが有ります。
 

バリ島の"ローケツ染め”のアジアンテイスト柄の"うちわ”~バティック以外も有りなんですね。













菰野在住の作家 伊佐みさ子さんとの共作うちわ "ローケツ染め”の鳥獣戯画の作品も有りました。
 

今後も地元の名産や名所、地元出身や在住の作家さんとのコラボした作品が楽しみですね。
 

この日はうちわ展示コーナーの隅で、最終の仕上げ工程を職人さんの手作業で行われていました。
 

そして、お土産に"香り玉うちわ(薔薇の香りのアロマオイルをセレクト)"を1枚購入して来ました。

今年の夏は、節電が一つのキーワードとなりそうです。個性豊かで、お洒落なうちわを扇ぐ姿が

新しい"COOL BIZ"のファッションとして流行するかもしれませんね。地元三重県四日市市発信

の伝統工芸品が、日本はもとより世界のファッションアイテムの一つに加われば喜ばしい事です。
 

早速、我が家の娘に持たせて そこらの夏祭りに出没させますね。
 

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 今年も 寿亭 水雲閣 二階「櫻の間」にて「日永うちわ」展が開催されています。

 「水雲閣」は歴史と伝統のある建造物で国登録有形文化財となっていまして、

 その部屋から眺める 御在所の景色も"うちわ"同様涼しげで良かったですよ。

 皆さんも是非お出かけになって 三重県の歴史と伝統を体感してみて下さい。

                                                               Hoshino