遂に 師走に突入ですが、まだまだ 年内に片付けなければならない事が 目白押しです。

本日も“★のキッチン研究所”からの報告です。 こんばんは 所長の“KS−星の”です。

まずは 前回に引き続き 洗面化粧台の取替工事の模様を御紹介します。

御年配の御婦人様 お一人住まいの I 様邸洗面化粧台取替工事


ビフォアー アフター


何故か洗面に

調理台を収納と

して利用されて

います。











既設の洗面化粧台はT社製 ホーローボウルにメラミンポストフォームのカウンター付 1,000mm

洗面ボウルは 既に錆びて

腐食の為 所々穴が開いて

しまっています。

その穴をガムテープで塞いで

使用していた模様です。

前にも言いましたが・・・・・

ガムテープでは漏水は防げません。




もう少し アップで観てみましょう。 オーバーフローの排水接続の辺りが 特に腐食が激しいです。

I様邸では 洗面化粧台を この様な状態で 長年恐る恐る お使いになっていたようです。

沢山の水分を吸収してしまった 木製キャビネットは取り外しの際 とても脆く 崩れ去りました。



この洗面ボウルに 使用されている素材は ホーロー(琺瑯)と言います。

ホーローとは 鉄板の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく・・うわ薬)を塗り 高温にて焼き付けたもの。

鉄とガラスという 全く違う素材を結合させ 鉄の酸化しやすい性質を ガラス質のコーティングで

保護し それぞれの長所を活かし 欠点を補うとされています。(ガラスの衣、鉄の肉体--それが琺瑯)

このホーローで作成されたものの代表は 紀元前に作られた【ツタンカーメン王】の黄金マスクです。

 紀元前1,300年頃作られた この黄金マスクは

 3、000年余の時を経た現在でも 確かに

 その黄金の輝きは失われることがありません。

 これが 現存する最古の琺瑯製品なのです。

 タカラスタンダードさんの 琺瑯伝説も見てみて!
 
 では 何故I様邸の洗面ボウルは 芯材の鉄が錆び

 朽ち果ててしまったのでしょうか?


実は この様な事象は“星の”にとっては  I様で初めて お目にかかった代物では ございません。

錆びて底に穴の開いた “浴槽”、扉の座金辺りが錆びて 扉がもぎ落ちた“キッチンキャビネット”、

そして今回のような 錆びて朽ち果てた“洗面ボウル”等 年間 10set以上は撤去してきてます。

かといって ホーロー製品のすべてを 否定している訳では 有りません。

そもそも高温焼成され 表面はガラス層で硬度も高いので 熱や水に強く お手入れ し易いですし

“非吸着性”、“耐酸性”、“耐食性”、“耐久性”等 本来 水廻りの製品には 好都合の点もあります。 

唯一の欠点は “耐衝撃”に弱く、強い衝撃を受けると 表面ガラス層が欠けてしまい 素地の鉄が

露出すると そこから 酸化し“錆”が発生して腐食してしまいます。

だから ホーローの表面が傷により 剥離したら 出来るだけ早急に 補修をする必要性があります。

但し、I様邸の様な事象に於いては ユーザー様の不注意による 欠損だけでは無い様な気がします。

おそらく、部分的に釉薬の施しがうまくいっていなかったり オーバーフロー取付加工時に傷が付き

防錆処理が 成されていなかったとか 製造過程で既に問題があった物じゃないかと 推測されます。

もちろん、現在のタカラスタンダードさんが提唱する“高品位ホーロー”製品には そのような問題が
 
無い事と信じたいですけどね!・・・但し やはり 取り扱う側の注意が必要な事に変わり有りません。


今回 洗面ホーローボールの扱いに 御苦労されていた I様に御提案し 御採用して頂いたのは

TOTO製 コンポーネント・J 間口1,000mm 人工大理石製 洗面ボウル一体カウンターのタイプ
 

光沢のある ポリエステル系の人工大理石カウンター とボウルが一体成形の為 お手入れ簡単です。

洗面化粧台では さほど 耐熱温度は重要視する事は有りませんので これで充分です。

人工大理石と言っても 樹脂製ですので 硬いもので擦ると 傷は付きます、でも その部分から腐食

することは 有りません。しかも 陶器ボウルと比べると 割れたりする破損は 格段に少ないです。




何より 肌触りに温かみが有り、質感が “よろしい”ので 現段階では 洗面ボウル及びカウンターには

人工大理石(人造大理石)のものをお勧めする事にしています。(別にメーカーは問いませんが・・・)
  

                                                                 Hoshino