たまには、日本の建造物の歴史を振り返ってみましょう。こんばんはー“KS-星の”です。

と言う事で、先日奈良県にある重要伝統的建造物群保存地区 “今井町”を散策して来ました。

この町は、現在も500軒もの町家が連なる、町全体が江戸時代の姿を残した歴史的市街地です。

まずは、散策前に 今井町の全体像を掴む為に まちなみ交流センター“華甍(はないらか)”へ

このシンメトリーな建造物は 明治36年に建てられた 県下初の社会教育施設で、昭和4年から

今井町役場として使用されその後の修復にあたり 旧状に復元し“華甍”として再生されてます。
 

建物内は、今井町の歴史をたどりながら町並みの移り変わり、町民の生活や文化などを解説する

貴重な史料類や、今井町伝統的建造物保存地区の縮尺二百分の一の復元模型などが有ります。



又、江戸時代の伝統的町家の間取りや構造が良く解る スケルトンのミニチュア模型も有りました。

当時、日本に古くから伝わる気候や生活様式に合せた“通り土間”や切妻造りの小屋裏には

厨子(つし)二階”が配置されている様子を、当時の軸組構造再現モデルで見る事が出来ます。
 

そして、いよいよ町を散策してみるとこんな感じでした。当時からこの町は掟や御触れなどで町家

の造りは、厳しい規制がありましたが、町民たちはその中にも個性的なデザインを生み出しました。

 

中でも、今井町の西端にある“今西家住宅”は古くから重要文化財となり、有名な建物です。

慶安3年(西暦1650年)に建てられた民家で、城郭のような構造で「八つ棟造り」と呼ばれています。



 

もう少し歩いてみると、昔ながらの老舗醤油屋さん“恒岡醤油醸造本店”さんが有りました。
 

このお店は、「大和ハウス工業」さんのテレビCMでも使用されている“通り庭”の有るお店です。

ここで見れます⇒大和ハウス工業HP“共創共生 奈良・通り庭篇”

明治末期の創業時から現在もなお 、一年半以上の期間をかけて諸味を“吉野杉の大樽”で

熟成させるという、昔ながらの手造り製法で丹精込めた醤油を作られています。

こちらの醤油製法には、永年使い続けている“杉樽”とこの建物に寄生する微生物(麹菌)を

春夏秋冬の四季を通じた自然の環境の中で 醸造させて伝統の味を作られているそうです。
 

こちらで購入したのは、二段仕込みで造られた 天然醸造 “夢ら咲~むらさき~”かけ醤油

 二段仕込みとは、一旦完成した醤油と麹を再び混ぜ

 合わせ、さらに1年間発酵させるもので 手間ひまは

 かかるが、さらにうまみが増すという製法の醤油です。

 これだけ手間暇かけた本醸造醤油が200mlで¥370

 何でこんなに安く販売するのだろう?素朴な疑問です。

 早速自宅で頂きましたが、木の香りが醤油の風味に溶

 け合い まろやかで芳醇な味わいを醸し出していました。  
 
 これまで自宅で愛用している、三重の名産“はさめず

 醤油との 使い分けを模索しなければなりませんね。

それから、お土産には今井町名物の“埴輪(はにわ)饅頭”を買って帰りました。

この饅頭は、昭和15年神武天皇ゆかりの地「橿原・畝傍御陵前」に誕生し、その後今井町で

愛されてきました。古墳の副葬品と知られる“はにわ”をかたどったカステラ生地に、上質の

北海道産の小豆を使用した、こし餡が中に詰まった饅頭です。はにわの形は全部で 4種類で

人形(にんぎょう)、馬(うま)、壷(つぼ)、鈴(すず)が有ります。2個入り(1袋) ¥189~袋単位販売

   
銘酒「出世男」の醸造元“河合酒造”さんは 江戸時代から続き 国の重要文化財に指定される程

歴史有る老舗の蔵元です。醸造量は減りましたが昔ながらの味わいを現在も造り続けています。

 
今井町では 江戸時代から今日まで、多くの先人たちの努力により 伝統的な町家のたたずまいを

維持、保存されて来ました。現在では“町並み保存会”を中心に、その歴史的な町並みを 住民の

暮らしと共に、静かなたたずまいを維持していく事を目指し、まちづくりに取り組んでいる様子です。

数多くの上質で意匠性の高い町家の立ち並ぶこの町は 町全体がテーマパークの様に感じました。

                                                                                  Hoshino